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食べ物や水以上に私たちが多く体内に取り入れているのが今回のテーマである「空気」だということはご存知でしょうか。空気は目に見えないため、自ら意識できる食べ物や水以上に、そこにどんな成分が含まれており、健康に悪影響を及ぼしていないかに注意を払う必要があります。
本コラムでは、私たちのもっとも身近にある室内の空気質(IAQ)について解説します。
室内空気質(IAQ)とは?
「室内空気質(IAQ:Indoor Air Quality)」とは空調/環境関連の業界で使われる用語で、温度、湿度、二酸化炭素、清浄度、気流などについて、人を取り巻く空気の質を健康や快適さの視点から評価した捉え方です。
空気の主成分は窒素ガスで、その他の酸素、水蒸気、アルゴン、二酸化炭素と合わせると空気の組成の約99%をこれらが占めています。残りの約1%は、実は微量ガスやホルムアルデヒド、粉塵などの人体に有害な化合物から構成されており、これらの成分が空気中にどれぐらい含まれているのかを計測して数値化したものが、室内空気質の一つの指標となります。
注目が高まる室内空気質(IAQ)
一般的に内装や建材の影響で室内の汚染物質濃度は屋外の2〜5倍高いとされ、加えて「空気」は1日のうちに人が最も多く体に取り入れる物質(空気:18kg/人、水:1.2kg/人、食料:1.3kg/人)で、人が生涯で摂取するものの83%は空気とされています。空気は健康に影響を与える因子を多く含んでいることもあり、これまでもさまざま調査等で空気質の悪化と病気や死亡率の高さとの相関が提示されています。
近年のウェルビーイングへの関心の高まりや、新型コロナウイルスの影響によりIAQへの関心は今後さらに大きくなっていくことが期待されます。
世界各地のオフィスで働く人々を対象に行われた米国の企業による調査では、実に89%がIAQの低さが健康やウェルビーイングに悪影響を与えることを理解しており、73%の回答者が職場のIAQに何らかの懸念を抱いているとしていることから、ESGの観点からもIAQの適切な評価・維持管理は重要な経営課題の1つにもなっています。
空気質が健康・仕事の生産性に与える影響について
空気質の低下は、健康や仕事の生産性に影響を及ぼすとされています。
知られているだけでも、集中力の低下、眠気、倦怠感、頭痛やめまい、風邪やウイルスの蔓延から、ぜんそくや気管支炎当の気管を含めた呼吸器系疾患のリスク上昇などが挙げられます。
また、家具や建材などから放出される化学物質を体内に取り込むことで起こってしまうシックハウス症候群も問題視されている健康リスクの一つで、鼻水や喉の乾燥、頭痛、吐き気、湿疹などの症状を引き起こします。
健康で安心な日々を送り、仕事で集中力を保ち続けるためにも、空気の質に気を配ることは避けては通れない課題なのです。
空気質を向上させるためにできること
オリエンタル技研工業の高性能フィルター空気清浄機能付きパーテーション “Aer”の設置例
室内空気質を高めるためには、次のような方法が有効であるとされています。
・定期的な換気
換気をすることで室内の空気を入れ替えることができ、清浄で二酸化炭素濃度の適切な空気を保つことができます。
・空気清浄機の設置
空気清浄機を設置することにより、室内の汚れた空気から粉じんや有害物質を取り除いてきれいに保つことができます。
・こまめな掃除
こまめな掃除で、ハウスダストと呼ばれる粉じんの飛散を防止することに役立ちます。拭き掃除によっても、ホコリの舞い上がりを防げます。
このような方法は、空気質を向上させるために手軽で有効な対応とされています。しかし、空気の質は目に見えないため、どのタイミングで対策を講じ、どれくらいの効果があったかが曖昧になりがちです。
空気質の見える化でより効果的な対策を実践
空気質を向上させるための対策をより効果的に行うために重要なのが空気質の見える化です。空気質測定器を用いてリアルタイミングでモニタリングを実施することで、空気質の状態を把握することができ、適切な対策を、適切なタイミングで行うことに大きく役立ちます。
より安心で健康的な環境を実現する第一歩として、空気質のモニタリングから始めてみてはいかがでしょうか。
[参考文献]
・内山巌雄(国立公衆衛生院)「空気とヒト‐生理的立場から‐」1999年
・村上周三・東京大学名誉教授「住まいと人体、工学的視点から(臨床環境医学 第9巻第2号)
・Honeywell 2022 “Healthy Buildings Survey”
「オリエンタル技研工業」が提供する「センシングユニット カナリア」は、健康や生産性に影響を与える「温度」、「湿度」、「CO2」、「PM2.5」、「総揮発性有機化合物(tVOC)」の5つの代表的な室内空気質要素を高精度にモニタリングします。また、測定値が設定した閾値を超えると表示と音声で警告し、効率的に空調管理・換気などのリスク抑制のためのアクションを促すことで、安全・快適な室内環境の維持に貢献します。
空気環境が気になる方は、ぜひご利用を検討してみてはいかがでしょうか。